相続した実家、転勤や海外赴任で長期不在にしている自宅、施設に入居した親の家、別荘やセカンドハウス……。空き家になった経緯は人それぞれですが、外から見て「明らかに人がいない」と分かる状態はできるだけ避けたいと考える方は多いのではないでしょうか。
郵便物が溜まっていたり、庭の雑草が伸びっぱなしになっていたりすると、外から見ただけで長期間人が出入りしていないことが分かってしまいます。空き家を狙った空き巣や不法投棄などへの対策としても、家の外から見える「空き家らしさ」を減らしておくことが大切です。
空き巣などの侵入窃盗では、犯行前に住宅などの状況を確認する「下見」が行われるケースがあります。警察庁も、強盗・侵入窃盗の下見活動への対応を進めています。
外から見たときに「長期間、人が出入りしていない」と分かる状態は、できるだけ避けたいところです。特に次のような状態は、空き家と判断されるきっかけになります。
こうしたサインがいくつも重なるほど、長期間人が住んでいないことが外から分かりやすくなります。ひとつだけを対策するのではなく、郵便物・照明・庭など複数の場所をまとめて管理することがポイントです。
郵便物の滞留は、外から見ても分かりやすい空き家サインです。ポストからチラシがはみ出したり、投函口に大量の郵便物が詰まったりした状態が続くと、長期間不在にしていることが伝わってしまいます。
誰も住まなくなった家に郵便物が届き続ける場合は、郵便局の「転居・転送サービス」を活用しましょう。転居届を提出すると、旧住所あての郵便物などを新住所へ無料で転送してもらえます。e転居を利用すれば、インターネットから手続きすることも可能です。
転送期間は届出日から1年間です。1年を超えて空き家を管理する場合は、期間終了後の郵便物についても別途対策を考えておきましょう。
ポストの投入口に「DM・チラシ投函お断り」ステッカーを設置しておくと、不要なチラシの投函を減らせます。
宅配業者の不在票が長期間貼られたままになっているのも、長期不在を感じさせる要因です。宅配ボックスを設置したり、荷物の届け先を別の住所に変更したりする方法もあわせて検討しておきましょう。
転居届やステッカーで対策しても、郵便物やチラシを完全になくすことはできません。転送の対象にならない郵便物などもあるため、定期的にポストを確認して回収することが大切です。
遠方に住んでいて毎月通うのが難しい方は、後述する留守宅管理サービスの郵便物回収オプションも選択肢に入れておきましょう。
夜間にまったく明かりがつかない状態は、長期間不在にしていることが分かりやすいサインです。照明の使い方を工夫して、長期間無人になっている印象を減らしましょう。
コンセントに差し込んで点灯時間を設定できるタイマーコンセントや、スマートフォンから操作できるスマート電球を使えば、遠方からでも夜間の点灯・消灯を管理できます。製品によっては複数の時間帯に設定できるため、毎日同じ時間に点灯するよりも自然な使い方ができます。
玄関先や勝手口にセンサーライトを設置しておくと、人が近づいたときに自動で点灯します。暗い場所を明るくすることで、防犯対策として役立つほか、近所の方が敷地内の異変に気付きやすくなるというメリットもあります。
カーテンやブラインドを長期間閉めきっていると、不在が続いていることを感じさせる要因になります。一方で、カーテンを開けたままにすると室内が外から見えてしまいます。
レースカーテンと遮光カーテンを組み合わせるなど、外から室内が見えにくい状態を保ちながら、長期間閉めきっている印象を避けるように工夫しましょう。
庭や玄関先は道路から見えやすく、家の管理状態がそのまま表れやすい場所です。手入れされていない状態が続くと、長期間人が住んでいないことが伝わってしまいます。
雑草は伸びきる前に刈り取るのが理想です。特に夏場は雑草が伸びやすいため、定期的に確認しておきましょう。落ち葉も放置せず、こまめに掃いておくだけで見た目の印象が変わります。
自分で通えない場合は、シルバー人材センターや地元の植木屋、留守宅管理サービスの庭手入れオプションなどを利用する方法もあります。
玄関先に鉢植えや傘立てなど、日常的に使う小物を置いておくのもひとつの方法です。
ただし、鉢植えは水やりを忘れて枯らしてしまうと、かえって管理されていない印象を与えてしまいます。手入れができる範囲で置くようにしましょう。
敷地や玄関先には、通りがかりのゴミや自転車などが放置されてしまうケースもあります。防草シートや砂利敷きで敷地を整えたり、「防犯カメラ作動中」などのステッカーを貼ったりして、管理されていることが伝わる環境を作っておきましょう。
照明のタイマー設定、郵便物の回収、庭の手入れ。ひとつひとつの作業は難しくありません。ただ、遠方に住んでいると、これらを毎月・毎季こまめに続けるのは想像以上に負担が大きいものです。
空き家までの往復には時間もお金もかかります。最初は定期的に通えていても、仕事や家庭の事情などで、気づいたら数か月放置していたというケースもあります。
遠方の空き家をひとりで管理し続けるのが難しい場合は、外部の力を借りるのが現実的です。代表的な選択肢を3つ紹介します。
空き家の近くに親族や信頼できる知人がいれば、月に1回ほど様子を見てもらう方法があります。費用がかからない反面、頼む相手にも生活があるため、負担にならない範囲で依頼することが大切です。
長期的にお願いする場合は、作業内容や頻度をあらかじめ相談しておきましょう。無償での依頼が相手の負担にならないよう配慮することも必要です。
遠方に住んでいる方にとって、現実的な選択肢のひとつが留守宅管理サービスです。
サービスによって内容は異なりますが、月1〜2回程度の定期巡回を行い、郵便物の回収、通水、換気、照明の確認、庭の様子確認、外壁・屋根の目視点検などを代行してもらえます。作業後に写真付きの報告書が届くサービスなら、遠方にいても現地の状況を把握できるのがメリットです。
費用はサービス内容や頻度によって異なりますが、月額5,000〜10,000円程度をひとつの目安。庭木の手入れや家財整理などをオプションとして追加できるプランもあります。
「郵便物の回収と定期巡回だけ」といったシンプルなプランを用意している業者もあるため、自分でできる作業と任せたい作業を分けて依頼するのもよいでしょう。
将来的に再び自宅として使う予定があり、当面は戻る予定がないのであれば、期間を区切って人に貸す「リロケーション」も選択肢のひとつです。
人が住んでいる家なら、長期間無人になることで空き家に見えてしまう心配を減らせます。さらに、家賃収入を得ながら建物を維持できる点もメリットです。
契約期間を定めて貸し出す仕組みを利用すれば、期間終了後に自宅として使うこともできます。将来的に戻る予定がある方は、リロケーションという方法も検討してみましょう。
複数の対策を遠方から自分ひとりで続けるより、管理の一部を専門業者に任せたほうが、時間や移動の負担を抑えながら継続しやすくなります。
空き家に見えない状態を維持したいなら、郵便物の回収や庭の手入れ、照明の管理など、まずは自分にとって負担の大きい作業から外部に任せるのがおすすめです。留守宅管理サービスやリロケーションも含めて、無理なく続けられる方法を選びましょう。
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