離れて暮らす親が施設に入ることになり、親が住んでいた家をどうしようか悩んでいる人もいるでしょう。人の住んでいない空き家は放置すると劣化や傷みが進んでしまうので、早めに対処法を検討する必要があります。ここでは、施設に入った親の家の対処法として、4つの方法をご紹介します。
親の施設への入所が一時的なもので、数ヶ月~1年以内に家に戻ってくる見通しがあるのであれば、家を売却せずに空き家のままにしておくのがおすすめです。ただ、空き家にしている間の管理は誰がするのか、維持管理にかかる費用や固定資産税などの支払いはどうするのかについて、家族で話し合っておく必要があります。
面倒だからと適切な管理を行わずに放置した場合、空き家対策特別措置法によって「特定空き家」や「管理不全空き家」に認定される恐れがあり、固定資産税が最大6倍にもなる可能性があるので注意しましょう。また、空き家にしておくと不審者が入り込んだり、放火や不法投棄などの被害にあったりするリスクがあることも考慮しないといけません。
親の代わりに子どもが住むことで、空き家の維持管理に時間や費用をかける必要がなくなります。また、現在賃貸物件に住んでいる場合は家賃を支払う必要がなくなり、毎月の固定費を減らせるというメリットもあります。親が施設を出ることになったときも、帰る家が残っているというのは親にとっても心強いポイントでしょう。
子どもが住むデメリットとしては、家の資産価値は築年数を重ねるごとに下がってしまうため、売却を先送りにすることで査定価格が低くなる可能性があります。また、子どもが複数いる場合、相続問題でトラブルになってしまうことも。そのほかにも、親の家の場所によっては職場や学校が遠くなってしまい、転職や転校を検討しなければならない場合もあります。
家を売却すればまとまったお金を手に入れられ、施設にかかる費用にあてられます。また、空き家の維持管理に時間やお金をかける必要もなくなり、さらに将来の遺産分割の際の手続きが比較的楽になるのも売却によって得られるメリットです。
ただ、家を売却するにしても買い手が必ず見つかるとは限らず、場合によってはリフォームが必要だったり家を解体して土地だけ売却したりなど、手間や費用がかかります。また、親が施設を退去することになった場合に、住む場所に困るという問題もあります。
空き家を資産として活用したい、思い出の実家を売却したくない、空き家にしておきたくない場合は、賃貸を検討するのがおすすめです。
賃貸であれば思い出の実家をそのまま残しておけ、さらに家賃収入を固定資産税などの維持管理費にあてることができます。また、施設に入った親が亡くなって相続税を納める際、売却して現金化するよりも賃貸などに出していたほうが評価額を抑えられ、金銭面の負担が軽減されるというメリットもあります。
家を売却するには所有者である親の同意が必要となり、手放すことに親が納得しないということもあるでしょう。自分自身も思い入れのある実家を売りたくない、すぐに売却を決断できないという方もいるはず。また、ゆくゆくは自分が住むかもしれないから、と空き家のままにしておこうと考える方もいるかもしれません。
ただ、空き家のまま放置すると老朽化を早めてしまったり、空き巣や放火などの犯罪に巻き込まれたり、固定資産税が跳ね上がったりなどのデメリットがあります。いざ売却することになった際に、まったく買い手がつかないという事態にもなりかねません。実家を売りたくない、でも管理が難しいという場合は、賃貸としての活用を検討しましょう。
一般的な賃貸借契約は借主有利になっており、契約期間が満了したとしても借主が住み続けたいと意思表示するかぎり、貸主側の事情で一方的に更新の打ち切りや契約の解除はできません。相当の理由がないと退去を求められないため、契約期間の満了後に自分が住もうと思っても、借主が退去してくれない可能性があります。
あくまでも一時的に貸し出したいのであれば、リロケーションがおすすめ。リロケーション(定期借家契約)は「有効期限のある賃貸」「更新しない賃貸」として契約しているので、契約期間の満了後に借主が確実に退去するのが一般的な賃貸借契約との大きな違いです。将来的に自分が住む予定があるなどで契約期間を定めたい場合は、リロケーションを検討しましょう。
当メディアは1975年に創業したZenken株式会社が運営・制作しています。WEBマーケティング戦略やメディア制作・運用のノウハウなどのサービス提供し、8,000以上のサイトを構築。
不動産業界のサイト制作数も多く、今回は転勤者にとっての心強い味方である“リロケーション”の認知向上のためのメディアを、「住まいの情報館(株式会社D2)」監修の元、制作しました。
転勤の辞令が出て、悩みを抱えるご家族の力になれば幸いです。